花泥棒 act2 


君が誰を想っているかなんて、視線を追えばわかる。気づかれてないと思ってるかもしれないけど、そういうとこめざといのよ、俺。というのは冗談で、君があいつを見ていたのと同じように、俺も君を見ていたから分かること。それだけ君を見ていたという事実。
あいつはサッカー部で、キャプテン。かっこいいって女子がよく騒いでるよね。ライバルは結構多そうだよ?大変だね。
それよりさ、俺にしとかない?結構、お買い得なんですけど。って、メンと向かって言えないのは、君にちっとも隙がないから。心はサッカー部のあいつでいっぱい。そんなの君を見てれば分かる。
それでも君に近づく俺ってどうよ?毎度毎度ラブラブ光線を出してちょっと隙ができることを期待してる俺ってどうよ?
なんてことを考えてるのも知らない君はまた窓の外を見つめる。その視線の先には、やっぱりあいつだよねぇ。
あー今、すんごく悪いこと考えちゃった。君が幸せならそれでいいんだ、なんてきれいごと言えるほど心が清い俺じゃないから。こんなにアピールしてる俺の気持ちに気づいてよ、これってわがままですか?あーなんかドロドロ。ダメダメな俺だ。ごめん、先に謝っておく。今、心の中で最低なこと考えた。ごめん、君が好きなんだ。それだけなんだ。だから、


ど う か 君 の 想 い が
あ い つ に 伝 わ り ま せ ん よ う に …。



あー、やっぱ俺って最低…かな。

 

 

反転すると文字がチラホラと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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